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評価:
竹内 薫
光文社
(2006-02-16)
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ベストセラーになっただけのことはある。常識を覆す見方を提示する。固定観念を覆し、科学といえども結局はいつ反証されるかも知れない仮説の集合にすぎないことを分かりやすく説く。
このような斬新な見方を、大きめの活字で、気軽に読める親しみやすい語り口で示す。読み終わって「なるほどそうだったのか」と大切なことを学んだという思いを深くする。取り上げられている事例がまた面白い。次から次へと出てくる。飛行機がなぜ飛ぶのか科学は説明できない。
悪名高きロボトミー手術は、当初ノーベル賞まで授与された評価の高い手術だった。その評価がいっきに覆るいきさつ。日本人学者のノーベル賞がうわさされていたペンタクォークの発見が疑問視されていく経緯。進化論と知的設計説との関係等、読んでいてあきない。
しかも副題に「思い込みで判断しないための考え方」とあるように、人生や社会を見る態度においても、すべてを仮説としてとらえることがいかに大切か、というとことろまで読者に語りかける。