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評価:
帯津 良一,津村 喬
創元社
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魂が癒されるとき―気功・ホリスティック医学・ガン治療をめぐる対話
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帯津氏は、ガン治療の現場に気功を導入して大きな成果を上げる、気功界の代表的な人物。西洋医学と気功、東洋医学等を結合したガン治療の実践をまとまった形で読めて興味深い。
津村氏は、日本に気功を紹介した草分け的存在で、その文章にはつねに広い視野と見識、温かさに満ちる。その二人の対談が面白くないはずがない。
津村氏が日本に気功を紹介する過程での、帯津氏がガン治療の現場に気功を導入するうえでの、それぞれのいきさつや苦労を語る。二人とも外気治療に対し一定の評価をしつつも、金銭をとっての外気治療には批判的。あくまでも自己鍛錬が中心で、気功師はそれを援助するのがいいとする。
一貫して、人を癒す、癒されるということを狭くとらえず、武術気功、芸術気功、教育気功、環境気功など気功全体とのつながりのなかで治療文化を理解する。さまざまなジャンルを含む気功を、自己調和、生命場の調和を深めていく自己成長のプロセスとしてとらえ、その中で治療や癒し、宇宙との一体感というような「さとり」も理解する。