|
評価:
古東 哲明
講談社
(2002-03)
|
★『
ハイデガー=存在神秘の哲学 (講談社現代新書)』★
ハイデガーを語るその語り口の新鮮さ、ハイデガー像の新しさに驚いた。難解といわれるハイデガー哲学について、これまでにないきわめて明快で説得力のある解釈を、著者自身の息づかいを感じさせるやさしい言葉で語っている。これまでの研究書などにはない斬新で大胆な切り口で、ハイデガーの真意をずばりと抉っている印象だ。
私もハイデガーには何度も挑戦してきたが、こんなに目が開かれるような思いをした入門書ははじめてだ。何よりも非常にわかりやすい。ハイデガーを読んだことのない人はもちろん、精神世界には関心があっても、哲学を敬遠しがちな人でも、興味をもって読めるのではないか。